多岐にわたる経験がいろいろなことにつながっていく
やりたいと思ったことに耳を傾けてくれる環境
私は、金融の営業、広告代理店の事務、ブライダルの装花、花屋の販売員、フラワーアレンジメントのインストラクターを経験した後に福祉業界に転向して、デイサービスの介護士、生活相談員、地域包括支援センターの社会福祉士と様々な業界、職種を経験してきました。
社会福祉士の資格を取得したときの実習先が、今でいう就労継続支援B型の施設でした。何かしら作ったもの、作業したことに対する成果報酬として工賃が支払われるそのシステムで“働いて自立した生活を送る”ということを実現するためには、デザインで付加価値をつけて賃金を上げ、多少時間がかかっても欲しいと思えるプロダクトを作る必要があるのではないかと思いました。しかし、現場では企画力も営業力も余裕もないというのが現実でした。
私は前職のフラワーデザインの経験からクリエイターの方々との交友があるので、お互いの力を掛け合わせたら新しい形が作れるのではないかと思いました。そのためには障害のある方の就労の現場を知る必要があると思い、仕事しながら学べる場を探していたところ、前職の同僚に当社を紹介してもらいました。面接で話をした際に、私がやりたいと思っていることを業務で挑戦できる環境に惹かれ入社しました。
多岐にわたる経験で得られたこと
入社後は、支援員、3事業所への配属、サービス管理責任者と施設長の兼務、サービス開発チームへの異動など多岐にわたり経験をさせてもらっています。前職では一つのケースを最初から最後まで責任をもつ仕事でしたので、支援業務の責任の重さは自覚しているつもりでしたが、一つの事業所のサービス全てに責任を持って管理するというのは、また違った重みがありました。大変でしたが、流れを予測しながら全体をみる、育成と適材ということを一層意識するようになり、とても勉強になりました。
全ての人が活躍する社会を創る
当社はスタッフが困難なことに陥ったとき働く意思がある限りにおいて、あらゆる可能性を考えてくれます。私自身、喘息など体調面の課題があるのですが、業務への配慮をしてもらい助かっています。また、苦しいときに「100%の人間はいないから。全ての人が活躍する社会を創るのが会社のミッションだから安心して」と役員の方から話があったことも強く印象に残っています。
仕事内容
現場と連携をとりながら、より良いサービスを検討、開発し、現場に導入して定着まで導くことがメイン業務です。
今はサービス管理責任者だった現場経験と各センターに出向いている利点を活かして、その場に必要な訓練の情報を提供したり、場を超えて良いものを共有したりしてつなげていくという提案を多く行っています。
一日のスケジュール(例)
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【出社】
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【スタッフ朝礼】
日によっていろいろなセンターを訪問します。 -
【全体の朝礼】
現場の見学や状況の確認。 -
午前のプログラムを見学しながら、資料の作成やチャットで打ち合わせを行います。
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【ランチ】
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【昼礼】
現場の見学・状況確認。 -
色々なチームの打ち合わせにオンラインで参加します。
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【退社】
※一日の流れは一例です。
同僚と作った新しいプログラム
同僚と「プラス表現トレーニング」という、リフレーミングをテーマにした座学のプログラムを作りました。大宮南センターを中心とした埼玉エリアの一部事業所で行い、利用者さんから「役に立った」というお声をたくさんいただきました。自分で作ったこのプログラムで、初のファシリテーションも行いました。情報収集や資料作成、当日の進行を周りに助けてもらいながら、何とか形に出来たことはとても良い経験になりました。大変だったこと、苦労したことと共にうれしさや学びが記憶に残っています。
次につながる出会いでありたい
支援員、サービス管理責任者として現場にいたときに、一般就労という目標を変更せざるを得ないケースの方を担当することがありました。そんなとき、「何かもっと良い方法があるのではないか」「私が担当でなければ違う結果になったのではないか」と考え、反省するばかりでした。しかし、その中で何人かの利用者さんから「就労移行支援に来て良かった」「岡崎さんに出会えて良かった」と言ってもらえたことがあります。自分の無力さを痛感しながらも、少しほっとした気持ちになりました。それ以来、目の前の人にとって絶望ではなく、何かしら次につながる出会いでありたいと強く意識するようになりました。
支援に対する想いを強く持っているスタッフ
当社は全体的に活気のある会社だと思います。また、「障害をもった方が一歩前に進むことを助けたい」という支援に対する想いを強く持っているスタッフが多いと思います。想いというのは行動の原動力です。情熱をもって現場に向き合い、冷静に分析と実践を積み重ねていき、スタッフそれぞれの得意を共有してチーム支援を作っていけると素敵だなと個人的には思っています。
一番大切にしていることは「誠実であるか否か」
仕事に限らず一番大切にしていることは、「誠実であるか否か」です。迷ったり、何かを人に伝えるとき、自分の言動が真摯なものであるか、その一点から見つめ直したりします。あとは、どんな肩書をもっていたとしても、ただの一人のちっぽけな人間だということを忘れずにいたいと思っています。
「インクルーシブな社会とは何だろう?」とたまに考えます。
以前、同僚に「生きやすい世の中ってどういうものだろうか?」と聞かれ、「否定されないこと」と答えたことがあります。最近は、それに加え「社会で起こっている困難なことは自分にも起こり得る」と自分事として捉えられる人が増えていき、想いから行動が変わっていく。そんな世界が美しいのではないかなと思うようになりました。自分の力量は小さなものですが、自分の周りからでも形にしていければと思っています。バタフライ効果と言われるように、いつか大きな風と波になることを愚直に信じて生きたいと思います。
私の夢
仕事面ではデザインやものづくりを通して障害のある方もそうでない方もフラットな関係で働く、工房のようなデザインチームを作りたいと思っています。
プライベートでは廃棄の植物を使ったアクセサリーブランド「ch:farm(チャーム)」を有志で立ち上げ、障害のあるなしにかかわらず“ユニーク=他に類のない”人達として、一緒に案を出しあって作品づくりをしています。その活動を広げていくことが私の夢です。
私のリフレッシュ方法
忙しさにもよりますが、元気があればジムで緩い30分程の有酸素運動を行っています。入浴時に音楽を大きめの音量で流す、友人と美味しいカフェを探す、アート鑑賞もリフレッシュになります。フラワーアレンジメントに関する仕事も前職のご縁で受けたりしていますが、花に関することは副業であり、好きなことでもあるのでストレス緩和にもつながっています。
転職を考えている方へのメッセージ
“最も弱い人が幸せであるように”
そのことを意識していければ、健常や障害というものにかかわらず、多くの人が生きやすい社会に近づくのではないかと思っています。中でも“仕事に就く”ということは社会参加において大きな役割を担っています。人とのつながりが生まれ、社会貢献をしている実感を得られ、毎日が充実したものになっていく。この人生における大きな転機をサポートする、とてもクリエイティブなお仕事です。優しい社会の実現に向けて、お力をお貸しいただければ幸いです。
※内容は取材時のものです。